ほっとけさま

家内が亡くなって五年になる
夢にでも出てくれば愚痴の一つも言いたいが
現れてくれない

陶芸家の辻村四郎さんが
家内が亡くなった時に くださった お地蔵さん
たぬきが水を飲みにくる時
毎度ひっくり返される

夏の毎日のみずやりの時は
頭から水をぶっ掛けて
ご苦労さんと声をかけるが
冬の間は殆ど水をやらないので
ほっとけ様になっている

思いついた時に 花を手向けるが
花が目立って お地蔵さんは ただの石になられる
フンと言って怒っておられる時もあれば
まあまあ そんなにカッカしなさんなと 戒められる時もある

みんな見透かされている
そんな事を思いながら五年
のらりくらりと暮らしてしまった


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