山のカエデが庭木になるまでの話


山からカエデを降ろす場合のお話です。
これは、そのような仕事をなさっている人の話と、実際されている現場を見せていただいて得た事です。
京都のお寺など見ていますと、秋の紅葉が色の順番に並んでいたりします。
園芸品種を植えた方がいいのにと思いますが、大きくなった時の樹形がわかりません。山で美しい紅葉と樹形の良いのを探すのは大変だったと思います。
私も始めはビックリしましたが、小さな木で実験しましたところ、実に良い方法だと思いました。

幹の太いカエデの木の話です。
まず、山で採取できる場所のカエデを、春、秋の葉色を見て印をします。
落葉寸前に、カエデの木の高さの3分の1を残して全部枝を切り落とします。
もちろん枝もありません。幹だけといった感じです。
次に周辺を掘り起こし、土を取り、根を丹念に切ります。
幹に、南側に向いている方に印をつけて、荒布を巻いて傷をつけないようにして、道まで降ろします。
そして池に根っこの部分をつけて、2月まで置いておきます。
それを休耕田を利用して(水分が多いから)植えます。この時、木の方向を印の付けた方を南にして植えます。
葉は5月になって出てきます。大きな葉でにょきにょきと枝が出てきます。
秋に剪定をし、2、3年枝作りして、形とを整えます。
これを庭に植えます。

理由
細枝を残すと、根からくる水分不足で(根を切られているから)枝枯れを起こします。
主になる枝が残ればよいですが、殆どが全体の形が整わなくなります。
太枝も切る事によって、後の枝つくりができるからです。

山の土をつけて、異なった土に植えると、根腐れを起こすのは、根が以前の土で育とうとして、団子状態になります。新しい土に伸びようとしません。
水はけも異なります。山土には菌が多くついていますので、それも災いします。
これは、鉢植えでもいえることです。

池に漬けるのは、冷たい水に漬けておきますと、くさりませんし、切り口を乾燥させないで治せるからだそうです。冬は木にとって、乾燥と寒さのため、幹割れを防ぐため幹内に水分を一杯にします。十分な水分があれば、春には必ず、どこからか芽が生まれてきます。
幹に印を付けたのは再度植える時、同じ方向でないと幹焼けを起こします。ひどくなると枯れます。

売り物にするには樹形がよくないと対象にはなりません。
田んぼの柔らかい土と、栄養分でよく育ちます。
この期間整枝を繰り返します。細根も新しいものができますので、後の植替えにも絶えられる木が出来ます。

一般の植木屋さんではご存知ない方が多いです。
ざっとこんな所です。参考になりましたでしょうか。

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