カエデ園見学    青木益美様

  
 六月初め菟田野へカエデを見に行く事に
なりました。この時期のカエデってきっと
緑々しているだけなのに、紅葉の時なら
ともかく、なぜ今なのだろうという思いが
拭えませんでした。梅雨にも入って来て
いる事だし、空模様が気がかりでしたが、
心配は杞憂に終り当日は汗ばむ程のよい
お天気。菟田野が近づくにつれ長閑な
田園風景が広がり心が和みます。

 カエデ園に着き、一番驚いたのは、
三千本ともいわれるカエデが鉢植えだと
言うこと。植物を枯れさせる名人の私の
頭に浮かんだのは、
「うわあ水やりが大変そう」。

説明してくださった、カエデ園の矢野さんは、
ロマンスグレーの素敵な男性、朝五時半に
起きて、雨の日以外は毎日水やりをされる
とか。全部にあげるには四時間かかると
苦もなくおっしゃっています。私には考え
ただけでも気が遠くなり、カエデへの想い
の深さに圧倒されっ放しです。

手入れも行き届いていて、枯れたのは
ひとつもありません。カエデに魅せられ、
深い愛情をもって接していらっしゃると
いう事が心にずっしりと響いてきます。

 春は緑で秋に紅葉。葉っぱも赤ちゃんの
手のような五葉のものと、単純に一つ覚え
のような知識でしたが、桜の葉のような
形もありました。色も赤や黄色等とりどりで
春なのに紅葉しているかの様なものも
あったり、アメリカ、カナダ、フランス産の
ものまで集められています。数の多さも
さる事ながら、色や形の多様な事に驚き
の連続、まさにカエデ再発見の一日でした。
   



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