信念の人    島田b美千子様

   
 六月四日と決まった時から、入梅も近い頃なの
で心配でしたが、晴天に恵まれて、熱いくらいの
一日でした。

 菟田野という地名だけは、毛皮や、桜などで
聞いておりましたが、カエデの里があることも、
まして行ったこともありません。

 待ち合わせに桜井駅から車でどの位でしょうか、
田植えの終った水面や、農家のたたずまいは、
日本どこへ行っても同じようなものなんだなあー
と、田舎の風景を楽しみながらずいぶん走って
目的地へ、ウグイスの鳴き声が聞こえるのどかな
所です。

 そこで私達を待っていて下さったのは、物静か
な方でした。順々に案内して下さる話しぶりは、
どれほど、カエデを愛しているかが、よく窺えます。

 カメラマンとして、仕事を成し遂げたその人は、
料理や器、またその料理や器に添わせる物、
光の具合など、それらが一体となってはじめて
良き作品が生まれるということを、熱く語られます。

 強く思うことを、人に伝える時、一つのことを極め
た人の、信念を持つ言葉は、ぐんぐんと、聞く者を
引き込みます。もっともっと聞かせて欲しい思い
でした。

 うち込めるものがあるということは、一人での
生活であったとしても、その不自由さを感じさせ
ない程、その人を生き生きとさせるものですね。

 まだまだやりたい事や、大きな夢もあると話され
ました。無理なさらず、続けて行って下さいますように。
    



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